A. 可能です。
| 取適法(とりてきほう)とは? |
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「中小受託取引適正化法」の通称です。 委託事業者には、[4つの義務]と[11の遵守事項]が課されています。 ※改正により、2026年(令和8年)1月1日より「下請法」から「取適法」に名称変更 |
目次
| 委託事業者の義務 |
受託事業者には4つの義務が課されています。
| 義務事項 | 具体的な内容 |
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① 発注内容等を明示する義務 (第4条) |
発注に当たって、発注内容(給付の内容、代金の額、支払期日、支払方法)等を書面又は電子メールなどの電磁的方法により明示すること。 |
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② 書類等を作成・保存する義務 (第7条) |
取引が完了した場合、給付内容、代金の額など、取引に関する三条書面を書類又は電磁的記録として作成し、2年間保存すること。 |
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③ 支払期日を定める義務 (第3条) |
検査をするかどうかを問わず、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で支払期日を定めること。 |
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④ 遅延利息を支払う義務 (第6条) |
支払遅延や減額等を行った場合、遅延した日数や減じた額に応じ、遅延利息(年率14.6%)を支払うこと。 |
| 受託事業者の禁止事項 |
受託事業者には11の遵守事項が課されています。
| 禁止事項 | 具体的な内容 |
| ① 受領拒否 | 中小受託事業者に責任がないのに、発注した物品等の受領を拒否すること。 |
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② 支払遅延 (手形払等の禁止) |
支払期日までに代金を支払わないこと。(支払手段として手形払等を用いること) |
| ③ 減額 | 中小受託事業者に責任がないのに、発注時に決定した代金を発注後に減額すること。 |
| ④ 返品 | 中小受託事業者に責任がないのに、発注した物品等を受領後に返品すること。 |
| ⑤ 買いたたき | 発注する物品・役務等に通常支払われる対価に比べ著しく低い代金を不当に定めること。 |
| ⑥ 購入・利用強制 | 正当な理由がないのに、指定する物品や役務を強制して購入、利用させること。 |
| ⑦ 報復措置 | 公正取引委員会、中小企業庁、事業所管省庁に違反行為を知らせたことを理由に、中小受託事業者に対して取引数量の削減・取引停止など不利益な取り扱いをすること。 |
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⑧ 有償支給原材料等の 対価の早期決済 |
有償支給する原材料等で中小委託事業者が物品の製造等を行っている場合に、代金の支払日より早く原材料等の対価を支払わせること。 |
| ⑨ 不当な経済上の利益の提供要請 | 自己のために、中小受託事業者に金銭や役務等を不当に提供させること。 |
| ⑩ 不当な給付内容の変更、やり直し | 中小受託事業者に責任がないのに、発注の取消しや発注内容の変更を行ったり、無償でやり直しや追加作業をさせること。 |
| ⑪ 協議に応じない一方的な代金決定 | 中小受託事業者から価格協議の求めがあったにもかかわらず、協議に応じなかったり、必要な説明を行わなかったりするなど、一方的に代金を決定すること。 |
改正ポイント
適用対象の拡大
①適用基準に「従業員基準」の追加
従来の「資本金基準」に加え、「従業員基準」(300人・100人)が追加されたことにより、対象となる事業者が拡大されます。
②対象取引に「特定運送委託」の追加
積み込み・積み降ろし・検品・棚入・長時間の荷待ちなど、これまで曖昧にされていた付随作業が対象取引として追加されます。
③製造委託に「木型等」の追加
従来の「製造委託」の範囲やそれに付随する保管問題では金型が議論の中心でしたが、改正により「木型等」も規制対象として扱われます。
手形払等の禁止
手形による代金の支払いは違反になります。
また、電子記録債権やファクタリングを使用する場合にも、支払期日(最長で、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内)までに代金満額相当の現金を得ることが困難なものは違反になります。
協議に応じない一方的な代金決定の禁止
中小受託事業者からの価格協議の求めに応じずに、一方的に代金を決定することは違反になります。
振込手数料を負担させることの禁止
中小受託事業者との合意の有無にかかわらず、振込手数料を中小受託事業者に負担させ、製造委託等代金から差し引くことは違反になります。
参考:公正取引委員会HPより
取適法リーフレット
取適法ポイントリーフレット(委託事業者向け)
| 発注書書面に記載すべき事項 |
委託事業者が中小受託事業者に発注書を発行する際、公正取引委員会が定めた必須記載事項(全12項)を満たす必要があります。
| 発注書面に記載すべき事項 | |
| 必須 |
① 委託事業者及び中小受託事業者の名称 ② 製造委託等の委託をした日 ③ 給付の内容(品目、品種、数量、規格、仕様等) ④ 物品等の受領期日(役務提供委託の場合は、期間でも可) ⑤ 物品等の受領場所(役務提供委託の場合は、役務が提供される場所) |
| 該当する場合 | ⑥ 検査完了期日(検査をする場合) |
| 必須 |
⑦ 製造委託等代金の額 ⑧ 製造委託等代金の支払期日 |
| 該当する場合 |
⑨ 一括決済方式で支払う場合は、金融機関名、貸付け又は支払可能額、その期間の始期、委託事業者が製造委託等代金債権相当額又は製造委託等代金債務相当額を金融機関へ支払う期日 ⑩ 電子記録債権で支払う場合は、電子記録債権の額、中小受託事業者が製造委託等代金の支払を受けることができるとする期間の始期及び電子記録債権の満期日 ⑪ 原材料等を有償支給する場合は、品名、数量、対価、引渡しの期日、決済期日及び決済方法 ⑫ 明示しないものがある場合に、当該未定事項の内容が定められない理由及び当該未定事項の内容を定める予定期日 |
| ジョブカン見積/請求書での発注書作成 |
以下は必須記載項目を満たした発注書の作成例です。
発注書に関するヘルプページ一覧はこちらをご覧ください。
①委託事業者(自社)と中小受託事業者(仕入先)の名称を明記します。(必須)
②委託事業者から中小受託事業者に対して発注を正式に依頼した日を明記します。(必須)
③発注内容を詳細に明記します。(必須)
例:
製造委託:品目、品種、数量、規格、仕様、材料、材質、色、図面番号など
情報成果物作成委託:制作物の名称、仕様(機能、デザイン、動作環境等)、納品形式、対象範囲など
役務提供委託:役務の種類(清掃、運送、システムの保守)、提供期間、作業範囲、作業場所など
委託内容が複雑で発注書自体にすべてを記載することが難しい場合は、別途交付する書類を参照することを明記し、発注書に[別紙]や[添付ファイル]を添付することも可能です。
④受領期日を明記します。(必須)
※デフォルトでは[納入期限]と登録されていますが、[自社設定]画面でメモ欄のデフォルト値を任意に変更することが可能です。
⑤受領場所を明記します。(必須)
※デフォルトでは[納入場所]と登録されていますが、[自社設定]画面でメモ欄のデフォルト値を任意に変更することが可能です。
⑥検査完了期日を明記する必要がある場合、自由記入欄をご活用ください。
※メモ欄の[有効期限]を使用しない場合は、この項目を活用することも可能です。
メモ欄のデフォルト値は[自社設定]画面で変更できます。
⑦製造委託等代金の額を明記します。(必須)
⑧製造委託等代金の支払期日を明記します。(必須)
※デフォルトでは[支払条件]と登録されていますが、[自社設定]画面でメモ欄のデフォルト値を任意に変更することが可能です。
⑨一括信託やファクタリングサービスを利用する場合に明記する必要があります。
自由記入欄をご活用ください。
記載内容:
・金融機関名
・貸付け又は支払可能額
・その期間の始期
・委託事業者が製造委託等代金債権相当額又は製造委託等代金債務相当額を金融機関へ支払う期日
⑩電子記録債権を利用する場合に明記する必要があります。
自由記入欄をご活用ください。
記載内容:
・電子記録債権の額
・中小受託事業者が製造委託等代金の支払を受けることができるとする期間の始期
・電子記録債権の満期日
⑪委託事業者が中小受託事業者に原材料等を有償支給する場合に明記する必要があります。
自由記入欄をご活用ください。
記載内容:
・品名
・数量
・対価
・引渡しの期日
・決済期日
・決済方法
⑫発注書を作成する時点で金額や数量などの必須項目が確定できない場合に、その理由を明記する必要があります。
自由記入欄をご活用ください。
記載内容:
・当該未定事項の内容が定められない理由
・当該未定事項の内容を定める予定期日
参考:公正取引委員会HPより
取適法ガイドブック
以上でございます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
🔍関連ワード
下請法、取適法、改正、中小受託取引適正化法、委託事業者、中小受託事業者、親事業者、下請事業者、委託、受託